2026-02-25
本設計書は,スケジュール管理問題における複数の解法モデル (数理最適化,制約プログラミング,ヒューリスティック等) を適切に選択・配備するための 制約付き探索エージェントアーキテクチャ の基本設計を示すものである。
本設計では,
LangGraph を 制約・制御の外枠(決定主体)
AutoGen を 探索エージェント(候補生成・比較主体)
として組み合わせ, 探索的・創発的振る舞いを許容しつつ, 説明可能性・再現性・運用制御を確保することを目的とする。
探索エージェントは最終判断を行わず, 判断材料を生成・整理する補助的存在として位置付けられる。
本設計が対象とするスケジュール管理問題は, 一般の 制約充足問題(CSP)として抽象化される。
すなわち,
変数集合 \(X\)
制約集合 \(C = C_{\mathrm{hard}} \cup C_{\mathrm{soft}}\)
評価関数 \(f(X)\)
から構成される問題として定式化される。
本設計では, 解そのものではなく, 制約表現・解法モデル・パラメタ設定の選択 を制御対象とする。
上記抽象モデルは,以下の具体問題に射影される。
配車・配送・ロジスティクス問題
時間窓制約
容量制約
順序制約
生産スケジューリング問題
設計書全体は抽象モデルを基軸としつつ, これら具体問題への適用を想定する。
本システムは二層構造を採用する。
制約・制御層は以下を担う。
状態遷移の管理
探索の開始・停止・差し戻し
ログ取得と判断材料の提示
最終的な判断権限は常に本層が保持する。
探索層は AutoGen を用いて構成され, 以下を担う。
モデル・解法候補の生成
候補間の比較・反証
不確実性を含む探索的提案
探索層は非決定的であることを許容されるが, 出力形式は制約層によって拘束される。
LangGraph により定義される主な状態は以下の通りである。
問題定義受付
制約・目的関数整理
探索要求生成
探索結果評価
判断材料提示・実行準備
実行・ログ記録
主要ノードは以下で構成される。
問題解析ノード
探索呼び出しノード(探索エージェント接続点)
探索結果評価ノード
差し戻し判定ノード
ログ集約ノード
差し戻し判定は状態 S3 に配置される。
差し戻しトリガの例は以下である。
根拠記述の不足
制約矛盾の検出
探索発散(候補数過多,収束性低下)
軽微な場合は探索継続とし, 閾値超過時には状態 S2 へ差し戻す。
探索エージェントは以下の役割を担う。
解法・モデル候補の生成
制約表現・パラメタ設定の提案
候補の比較・反証
最終的な採否判断は行わない。
AutoGen 内では複数の役割エージェントを想定する。
Proposer:候補生成
Critic:欠点・リスクの指摘
Comparator:候補整理・比較
探索結果は 準厳格フォーマットで出力される。
候補ID
候補内容(モデル種別,制約表現,主要パラメタ)
根拠(制約適合性,過去事例,理論的理由)
スコア(評価指標)
不確実性(信頼度,未検証要素)
軽微な欠落:自動補完
重大な欠落:再探索要求
繰返し欠落:差し戻し
以下のログを取得する。
探索ログ(候補生成過程)
評価ログ(スコア,判断理由)
差し戻しログ(理由,回数)
ログは以下の用途を想定する。
判断妥当性の検証
モデル選択傾向の分析
運用改善・チューニング
探索と決定の責務分離を維持する
非決定性は探索層に局所化する
再現性確保のためログを永続化する
本設計は, 探索的能力と制約的制御を分離・統合することで, スケジュール管理におけるモデル配備制御を 安全かつ説明可能に実現することを目的とする。
LangGraph を制約・制御の主体とし, 探索エージェントを判断材料生成の補助主体として位置付けることで, 創発性と運用可能性の両立を図る。